冷蔵庫が急に壊れちゃって……。NISAの投資信託を少し売るか、貯金を使うかで迷ってます。
それは焦るね。その「迷ってる」って、どういう感じ?
貯金が減るのが怖いんです。投資信託は増えてるから、そっちを売ったほうが損しない気がして。
その気持ち、分かるよ。でも私なら先に貯金から払うわ。投資信託は、売ってもすぐにはお金にならないんだ。
急な出費の日は、ただでさえ気持ちが落ち着かないですよね。
まず、慌てなくて大丈夫です。 決めることは「どっちから先に出すか」の1つだけです。
ここでは、私が考えるいちばんシンプルな答えをお伝えしますね。 今日はそこを1つだけ、いっしょに見ておきましょう。
貯金そのものをどれくらい持っておけばいいかは、生活防衛資金が貯まる前に積立していい?にまとめています。
急な出費は、先に貯金から払う
結論から言うと、私なら、急な出費は貯金から先に払います。 投資信託を売るのは、貯金で足りないときだけ。
理由はシンプルです。 売ったお金はすぐには届かないし、売った分の枠も今年は戻らない。 それに、売る日の値段も自分では選べないからです。
理由1:売ったお金は、すぐには届かない
投資信託は、売ったその日にお金になるわけではありません。
たとえばオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の交付目論見書には、こう書かれています。
「原則として、換金申込受付日から起算して6営業日目から販売会社においてお支払いします」(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)交付目論見書より・2026年10月20日確認)
月曜に売る申込みをしたら、6営業日目は次の週の月曜です。 しかも、ニューヨーク・ロンドン・香港の取引所や銀行がお休みの日は、売る申込み自体ができません(同じ目論見書より)。 祝日が重なると、もっと延びます。
修理屋さんに「今日払ってください」と言われたら、間に合わないんだよね。
| 日 | できごと |
|---|---|
| 月曜(1営業日目) | 売る申込み |
| 火曜(2営業日目) | この日の基準価額で売れる値段が決まる |
| 水〜金(3〜5営業日目) | まだ届かない |
| 翌週の月曜(6営業日目) | お金が使えるようになる |
正確な入金日は、使っている証券会社の画面で確かめてください。 日数はファンドごとに目論見書に書かれています。どこを見ればいいかは目論見書はどこだけ読めばいい?で書いています。
理由2:NISAで売った分の枠は、今年のうちは戻らない
ここ、見落としやすいところです。
金融庁のよくある質問には、こうあります。 売った場合は「当該商品の簿価分の非課税枠を翌年以降に再利用できる」(金融庁 NISA特設ウェブサイト「よくある質問」より・2026年10月20日確認)
戻ってくるのは翌年以降です。 しかも戻るのは、買ったときの金額(簿価)の分だけ。
金融庁が「再利用が可能」と書いているのは、一生で持てる上限(総枠1,800万円)のほうです(金融庁「NISAを知る」)。売っても、今年あらためて買える額が増えるわけではありません。
10万円で買った分が12万円に増えていて、それを売っても、来年戻る総枠は10万円。 増えた2万円分の枠は戻りません。
くわしい計算はNISAの枠は売ったら復活する?に並べています。
理由3:売る日の値段は、自分で選べない
オルカンの場合、売れる値段は「換金申込受付日の翌営業日の基準価額」です(同じ目論見書より)。
申込みの時点では、いくらで売れるか分かりません。 急いでいる日に、たまたま下がった日の値段で売ることもあります。
逆に、貯金の1万円は、明日も1万円です。 急ぎのお金ほど、値段が動かないところから出すほうが安心なんです。
値段が決まるしくみは投資信託は「いつの値段」で買える?で説明しています。
えっ、売っても来週まで来ないんですか。しかも枠は来年まで戻らない……。
そうなんだ。投資信託は「すぐ使うお金」の置き場所じゃないんだよね。だから急な出費は、貯金の出番なんだ。
貯金で足りないときは、足りない分だけ売る
貯金では足りない。 そういう日もありますよね。
そのときは、売ること自体は悪いことではありません。 NISAは、いつ売るかに決まりはありません(売れるのは取引できる日だけです)。
ただ、私なら2つだけ気をつけます。
全部ではなく、足りない分だけ売る
「どうせ売るなら全部」と考えたくなるかもしれません。 でも売った分の枠は、今年は戻りません。
足りない額を先に計算して、その分だけ売る。 これで、来年以降も育つお金が残ります。
支払いの日から逆算して、早めに申込む
さっきのとおり、お金が届くまで1週間ほどかかることがあります。 支払いの期限が分かったら、届く日を証券会社の画面で見てから申込むと慌てずにすみます。
カードで払える出費なら、引き落としの日までに届けばいい。 そう考えると、少し気が楽になると思います。
売る前に、ひと呼吸
急な出費の日は、気持ちが焦っています。値動きのニュースまで見ると、「この際、全部売ってしまおう」となりがちです。売るのは出費に足りない分だけ。積立の設定は、出費とは別のこととして考えてください。
私も、急な出費は自分で払った
ここは私の話です。
先月、自宅が床下浸水しました。 水抜きのポンプが2〜3千円、エアコンの室外機の点検の出張料が5,600円。 保険の補償は付けていなかったので、金額は大きくありませんでしたが、全部自分で払いました。
もう1つ、思い出すことがあります。 積立を始めて1年ほどのころ、株が5%ほど下がったときに怖くなって、全部売ってしまったことがあるんです。 出費のためではなく、値下がりが怖かったから。理由は違います。
でも、焦って売った日の気持ちは同じだと思います。 焦っている日の私の「売る」は、売りすぎでした。
だから私なら、急なお金は貯金から出します。 先に決めておくと、その日に迷わなくてすむんですよね。
次の急な出費のために、今日やること
急な出費は、また来ます。 冷蔵庫、車、スマホの画面、家の修理。予定表には書けないものばかりです。
今日やるのは1つだけ。 今の預金で、来月なにか壊れても売らずに払えるかを、1回だけ見てみる。
払えそうなら、そのままで大丈夫。 足りなさそうなら、積立より先に預金へ少し回す月を作ってもいい。
毎年決まって来る出費(車検や帰省など)は、特別費の積立はいくら?の考え方で先に分けておくと、急な出費の分だけに集中できます。
まとめ:急ぎのお金は、すぐ使えて値段が動かないところから
- 急な出費は、先に貯金から払う
- 投資信託は売っても、お金が届くまで日数がかかる(オルカンは原則6営業日目)
- NISAで売った分の総枠は、翌年以降に、買った金額の分だけ戻る
- 売る値段は申込みの翌営業日の基準価額。自分では選べない
- 貯金で足りないときは、足りない分だけ、支払い日から逆算して売る
投資信託は育てるお金、貯金はすぐ使うお金。役割を分けておけば、急な出費の日も慌てずにすむよ。今日はここまで。焦らずいきましょう。
入金までの日数や、売る申込みの締め切り時間は、ファンドや証券会社によって違います。 売る前に、使っている証券会社の画面で確かめてください。
