こねこ
こねこ(投資1年目)

積立を始めるときに「目論見書をお読みください」って出てきたんです。開いたら小さい字がびっしりで……正直、1ページ目で閉じました。

トリ
トリ(管理人)

閉じたとき、どういう気持ちだった?

こねこ
こねこ

読まずに買ったら、あとで「書いてあったでしょ」って言われそうで。読めない自分が悪いのかな、って。

トリ
トリ(管理人)

その感覚、分かるよ。でもね、読めないのは、あなたが悪いわけじゃない。いきなり全部を読み込まなくていいんだ。まず見るのは3か所。今日はその3か所を、いっしょに開いてみよう。

今回読んだもの: eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の交付目論見書(三菱UFJアセットマネジメント・2026年7月25日使用開始。ファンドのページから開けます)。この記事の数字は、ことわりがない限りここから引いています。

まず見るのは3か所。手数料・中身・分配金のルール

目論見書には2種類あります。 買う前に渡される「交付目論見書」と、ほしい人が販売会社に請求すると受け取れる、もっと詳しい「請求目論見書」です(運用会社のサイトでも読めます)。

まずは交付目論見書から読めば十分です。 交付目論見書は、販売会社が買う人に、買うまでに渡すよう金融商品取引法で決められている書類です(同じファンドをすでに持っていて、受け取らないことに同意した場合などの例外があります。出典:三菱UFJアセットマネジメント「目論見書を読み解くガイド」)。

その交付目論見書のなかで、まず見る場所は次の3つです。

① 手数料は「ファンドの費用」の欄で、信託報酬と総経費率を見る

いちばん後ろのほう、「手続・手数料等」の中に「ファンドの費用」という欄があります。 オルカンの場合、こう書いてあります。

  • 購入時手数料: ありません
  • 信託財産留保額(売るときに引かれるお金): ありません
  • 運用管理費用(信託報酬): 年率0.05775%(税込)以内

そして次のページ、「税金」の表の下に「総経費率」という欄があります(「参考情報」と書いてある欄です)。 こちらは「前の1年で、実際にかかった費用の合計」です。 オルカンは0.07%でした(2025年4月26日〜2026年4月27日の期間)。

前の1年の実績で計算すると、100万円を1年持ってかかる費用は約700円(この先も同じとは限りません)。 ランチ1回分くらいだよね。

信託報酬は「看板の料金」、総経費率は「実際に払った合計」。 2つ並べて見ると、看板どおりかどうかが分かります。 くわしい調べ方は投資信託の実質コストの調べ方にまとめています。

② 中身は「ファンドの目的・特色」で、何に連動するかを見る

表紙をめくった最初のページに「ファンドの目的・特色」があります。 ここで見るのは、何の指数と同じ動きをめざすかの1行だけです。

オルカンは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動をめざす、と書いてあります。 日本を含む先進国と新興国の株、という意味です。

次のページには、国別の割合の図もあります。 2026年3月末の時点で、アメリカが63.2%。 100円入れたら、約63円がアメリカの株に行く計算です。

「全世界」という名前でも、中身の半分以上はアメリカ。 ここを知っておくと、S&P500と両方持つか迷ったときに慌てずにすみます(オルカンとS&P500の重なりの話)。

もう1つ、「為替ヘッジは行いません」の1行も同じ欄にあります。 円高・円安で評価額が動くのは、このためです。

③ 分配金のルールは「分配方針」の欄で、お金が出るか出ないかを見る

「ファンドの目的・特色」の終わりに「分配方針」があります。 オルカンは、決算が年1回(4月25日)。 そして、ファンドの財産を育てるほうを優先して、分配は原則おさえる方針だと書いてあります。

実際、「運用実績」のページの「分配の推移」を見ると、設定来の累計は0円です(1万口あたり・税引前)。

こねこ
こねこ

えっ、0円なんですか? じゃあ「再投資型か受取型か」で悩んでたのは……。

トリ
トリ

そう、この1行を読むと、悩みが1つ消えるんだよね。分配方針は、読んで得する欄なんだ。どっちを選ぶかの話は再投資型と受取型どっち?にまとめてあるよ。

ただ、方針は「原則」です。 目論見書にも、将来の分配金について保証するものではない、と書いてあります。 なぜ配る会社と配らない会社があるのかは、配当金はなぜ出る?で話しています。

「元本の保証はない」は、必ず1回読んでおく

3か所のほかに、1回だけ読んでおいてほしい文があります。 「投資リスク」の欄の最初の段落です。

「投資者のみなさまの投資元本が保証されているものではなく」(オルカン交付目論見書「基準価額の変動要因」より)

要するに、預金とちがって、減ることもあるということです。 怖がらせる文ではありません。 分かったうえで、長く持つと決めるための1行です。

オルカンのように分配をおさえるファンドなら、まずはこの1行と、為替の影響を受けるという話を押さえれば足ります。 分配の多いファンドを見るときは、同じリスクの欄にある分配金についての注意(分配金が、実質的には元本の一部の払い戻しになる場合がある、という話)も読んでください。

最初は後回しにしやすい欄は、ここ

最初の1回なら、次の欄は後回しにしても困ることは少ないです。

  • 指数の権利についての長い注意書き(細かい字で1ページ近く続く、指数会社の免責の文)
  • 代表的な資産クラスとの騰落率の比較(日本株・先進国債などとの比べっこのグラフ。値動きの幅を知りたくなったら見る欄です)
  • リスクの管理体制(運用会社の社内の仕組みの説明)
  • 商品分類・属性区分の表(表紙の下の分類の表)

どれも大事な情報ではあります。 慣れてきたら、少しずつ目を通してみてください。

1つだけ覚えておくと助かる。売ったお金は6営業日目から

3か所のほかに、知っておくと助かる1行があります。 「お申込みメモ」の換金のところです。

オルカンの場合、売ったお金は原則として、換金を申し込んだ日から数えて6営業日目から支払われます。

気をつけたいところ

売っても、その日にお金は使えません。来週払うお金を、ファンドを売ってまかなうのは間に合わないことがあります。急ぐお金は、すぐ引き出せる形で持っておくと安心です。また、海外の取引所や銀行の休みの日は売る申込みができないので、日数が延びることもあります。正確な入金日は、使っている証券会社で確かめてください。日付のしくみは投資信託は「いつの値段」で買える?で説明しています。

私なら、新しいファンドはこの順で見る

正直に言うと、公式の資料を自分で全部読み込もうとすると、日本語でも2時間はかかる。 それが私の実感です。

だから私は、全部は読みません。 新しいファンドを見るときは、いつもこの順です。

  1. 分配方針(お金が出るのか、出ないのか)
  2. ファンドの目的・特色(何と同じ動きをめざすのか)
  3. ファンドの費用と総経費率(看板と実際の両方)

この3つで「自分の目的に合わない」と分かれば、そこで閉じていいんだよ。 合いそうなら、買う前にリスクの欄と「お申込みメモ」にも目を通します。 分からない所は、証券会社に聞いてかまいません。元本割れのおそれのような大事な点は、売る側に説明する義務があります(金融サービス提供法)。

まとめ

  • 最初から全部を読み込まなくても、要点はつかめる
  • まず見るのは「手数料」「何に投資するか」「分配金のルール」の3か所
  • 「元本の保証はない」は必ず1回読む
  • 売ったお金は、オルカンなら原則6営業日目から

小さい字がびっしりでも、見る場所が分かれば怖くない書類でした。

今日はここまで。焦らずいきましょう。

※この記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。