「利回り3%」と書いてあるのを見て、なんとなく良さそうだと思った。でも、自分がいくらもらえるのかは、ぱっと出てこない。ここで止まる人、けっこう多いと思います。

こねこ
こねこ(投資1年目)

高配当のETFに「利回り3%」って書いてありました。3%って、多いんですか? 少ないんですか?

トリ
トリ(管理人)

その「多いのか少ないのか」って、どういう感じ?

こねこ
こねこ

%だと、自分のお金でいくらになるのか想像できなくて。すごく得なのか、ほぼ意味がないのか、分からないんです。

トリ
トリ

分かるよ、私も最初は%のまま眺めてた。結論から言うと、10万円で年3,000円。ここから税金が引かれて、米国株ならNISAで2,700円、特定口座だと約2,150円まで減るんだ。今日は自分の金額に直す計算を、いっしょにやってみよう。

配当がいつ口座に入るかは配当金はいつ入る?で話しています。この記事は「どのくらい入るのか」の話です。

この記事でわかること

  • 配当利回りの計算のしかたと、自分の金額に直す方法
  • 米国株の配当の手取り(特定口座とNISAの違い)
  • 利回りが株価の下落で上がって見えるしくみ

そもそも、配当利回りって何?

配当利回りは、株価に対して、1年間の1株あたりの配当がどのくらいかを%で表したものです。計算は「1株あたりの年間配当 ÷ 株価 × 100」(マネックス証券「配当利回りとは?」・2026年9月25日確認)。

言いかえると、「その株を今の値段で買ったら、1年で何%が配当として戻ってくるか」の目安です。

ひとつ気をつけたいのは、利回りには2種類あること。実際に払われた配当で計算する「実績配当利回り」と、会社が出している今期の予想配当で計算する「予想配当利回り」です(同じくマネックス証券の説明)。サイトによってどちらの数字か違うので、見比べるときは同じ種類どうしで比べてください。

自分の金額に直すと、いくら?

計算は1行で終わります。投資する金額 × 利回り = 1年間の配当(税引前)。

▼ 利回り3%のとき、いくらもらえる?(税引前・計算上の例)
投資する金額 1年間の配当 1か月あたり
10万円 3,000円 250円
50万円 15,000円 1,250円
100万円 30,000円 2,500円

10万円なら、月にならすと250円。缶コーヒー2本分くらいだよね。

こねこ
こねこ

えっ、10万円入れて月250円ですか。思ったより少ない……。

トリ
トリ

そう感じるのは自然だよ。しかも、ここからまだ税金が引かれるんだ。

手取りはいくら? 米国株は2回引かれる

米国株の配当は、まず米国で10%が引かれ、残りに日本で20.315%がかかります(楽天証券「外国税額控除」・2026年9月25日確認)。日本の20.315%は、所得税など15.315%と住民税5%の合計です(国税庁タックスアンサー No.1330)。2027年からは所得税の内訳が一部変わりますが、合計の率は同じです。

10万円・利回り3%で計算してみます。

▼ 配当3,000円の手取り(米国株・計算上の例)
特定口座 NISA
税引前の配当 3,000円 3,000円
米国で10% −300円 → 2,700円 −300円 → 2,700円
日本で20.315% −約548円 → 約2,150円 かからない → 2,700円
1か月あたり 約180円 225円

NISAでも、米国の10%は引かれます。NISAで非課税になるのは日本の税金のほうだけです(上の楽天証券の説明)。特定口座の場合、確定申告で配当を「総合課税」か「申告分離課税」で申告すると、外国税額控除で米国の10%の全部または一部が戻る場合があります。申告しないと、控除は受けられません。戻る額には上限があって、所得税が少ない人はほとんど戻らないこともあります。申告すると配当が合計所得に入り、扶養の判定などに響く場合もあります。NISAの配当は、そもそも控除の対象外です。くわしくはNISAでも米国の10%は引かれる?と米国株の配当、手取りはいくら?で話しています。控除が使えるかは人によって違うので、迷ったら税務署・税理士・証券会社に聞いてみてください。

確定申告をしない場合、特定口座の手取りは税引前の7割ちょっと。10万円で月180円くらいです。

ここまで読んで「配当って、たいしたことないな」と思った人。大丈夫、その感覚で合っています。配当は「すぐ生活が変わるお金」ではなく、時間をかけて積み上がるお金なんです。

利回りは、株価が下がると上がって見える

ここが今日いちばん知っておいてほしいところです。

利回りは「配当 ÷ 株価」なので、配当が同じでも、株価が下がると利回りは上がります。

▼ 配当が同じでも、株価で利回りは変わる(計算上の例)
1株の年間配当 株価 配当利回り
3ドル 100ドル 3%
3ドル 75ドル 4%
3ドル 50ドル 6%

利回り6%と聞くとお得に見えます。でも中身は「株価が半分になった」だけ、ということもあるんです。

しかも、利回りの計算に使う配当は、過去の実績か会社の予想。株価が大きく下がった会社は、あとで配当を減らすこともあります。そうなると、見えていた利回りは出ません。

利回りの高さだけで選ぶと起きやすいこと

私なら、利回りの高さでは選ばない

迷ったらこれ

  • 利回りの%は、まず自分の金額に直す。「10万円で年いくら、手取りいくら」まで出せば、多いか少ないかは自分で決められます
  • 理由①:%のままだと、「3%」も「6%」も同じくらい良さそうに見えてしまう。円に直すと、生活のどこに効くお金かが見える
  • 理由②:利回りは株価で動く。高い数字の裏に、株価の下落が隠れていることがある
  • 理由③:配当は、続いてこそ意味がある。見るのは今年の%より、配当が続いてきたかどうか

私の場合は、高配当株も持っていますが、高配当だけを狙うことはしていません。暴落はいつか来るものとして、「卵は1つのかごに盛らない」を鉄則にしています。いろんな業種や会社に分けて持つこと。高配当だけに寄せるのは、本当の分散ではないと思っているんです。

正直、配当利回りの数字を見て心が動く瞬間は、今でもあるよ。だからこそ、円に直すひと手間を挟むようにしています。

オルカンを積み立てている人へ

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の分配金は設定来累計0円です(三菱UFJアセットマネジメント)。受け取る分配金は0円でも、中に入っている会社の配当はファンドの中で再投資されています。「利回り0%だから損」ではありません。しくみはオルカンの分配金は再投資型と受取型どっち?で話しています。

まとめ

利回りは、自分の金額に直してはじめて意味が出ます。

まとめ:配当利回り3%で、いくらもらえる?

  • 計算は投資する金額 × 利回り。10万円・3%なら税引前で年3,000円(月250円)
  • 米国株の手取りは、特定口座(確定申告しない場合)で約2,150円、NISAで2,700円。NISAでも米国の10%は引かれる
  • 利回りは株価が下がると上がって見える。高い%は「お得」の印とは限らない
  • 実績と予想の2種類がある。比べるときは同じ種類どうしで
  • 今日やることは1つ。気になっている銘柄やETFの利回りを、自分の金額に直して1回計算してみる

3%が多いか少ないかは、円に直すと自分で決められる話でした。今日はここまで。焦らずいきましょう。

手取りをもっとくわしく知りたい人は米国株の配当、手取りはいくら?へ。高配当ETFの選び方は高配当ETFはVYM・HDV・SPYDどれ?で比べています。受け取った配当の使い道は配当金を受け取ったら、どうする?が続きです。

※当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。表の金額は計算のための例で、実際の配当額・株価・為替を示すものではありません。米国株の配当は円に換える時の為替でも手取りが変わります。税率は2026年9月時点の公式の説明によるもので、米国での税率は会社の登記国や業態で違う場合があります。税金の扱いはご自身の口座区分と最新の法令で確認し、必要に応じて税務署・税理士・証券会社に確認してください。