朝起きたら「インフレ加速」「株安」ってニュースばっかりで……。積立、このまま続けて大丈夫なんですか?
おはよう。その「大丈夫なのか」って、どういう感じ?
始めたばかりなのに、いきなり下がるところで買い続けてる気がして。止めたほうがいい合図なのかなって。
その不安、自然だと思う。「止めようかな」って思ったなら、結論から言うね。止める必要はないよ。1年目は、こういう朝こそ淡々と続けるのがいちばん大事なんだ。ただ、物価の数字は家計の話でもあるから、確かめることが1つだけあります。
今回読んだもの: 米労働統計局(BLS)のConsumer Price Index News Release(2026年9月分)の本文と表。
CPIのしくみ(何時に出る・どこを見る・なぜ株が動く)はCPI発表の見方(積立勢向け・保存版)にまとめてあります。はじめての方は先にそちらを開くと読みやすいです。
9月分のCPI、出た数字は?
2026年10月14日(水)日本時間21:30に、BLSから9月分のCPI(消費者物価指数=モノやサービスの値段の上がり方)が発表されました。
| 見る数字 | 9月分 | 前月(8月分) |
|---|---|---|
| 総合CPI(前年比) | 3.7% | 3.4% |
| コアCPI(前年比) | 2.6% | 2.4% |
| 総合CPI(前月比・季節調整済) | +0.6% | +0.4% |
| コアCPI(前月比・季節調整済) | +0.3% | +0.3% |
出典: 米労働統計局(BLS)Consumer Price Index News Release(2026年9月分)
先月は4つの数字がばらばらの方向を向いていました。今月は違います。総合もコアも、前年比がそろって上向きました。 コアは、値動きの激しい食品とエネルギーを外した「物価の芯」のような数字です。
市場の予想は、総合の前年比で3.6%でした(CNBCが伝えたダウ・ジョーンズ集計)。結果はそれを0.1ポイント上回っています。
上昇の半分超は、ガソリン
BLSの本文は、ガソリンについてこう書いています。
「accounting for over half of the monthly all items increase」(=月間の上昇の半分超を占めた)——BLS(2026年9月分のCPI本文)より。
ガソリンは前月比+9.1%、前年比では+34.2%です。エネルギー全体でも前年比+20.4%でした(同出典)。
ただ、ガソリンを外したコアも前月比+0.3%で、8月と同じペースが続いています。中身を見ると、住居費(シェルター)が前月比+0.4%・前年比+3.2%、航空運賃が前年比+22.4%でした(同出典)。ガソリンだけの話、とは言い切れない月なんです。
一方で、食品は前月比0.0%で横ばいでした(前年比は+2.5%)。スーパーの値札は、9月はひと息ついた形です。
数字を財布に置き換えると
| 前年比 | 去年 | 今年 |
|---|---|---|
| 総合3.7% | 10,000円の買い物 | 約10,370円 |
| ガソリン34.2% | 月10,000円の給油 | 約13,420円 |
出典: BLS Consumer Price Index News Release(2026年9月分)(米国の物価の数字を、円の金額に置き換えたイメージです)
給油に月1万円使っていた人なら、1か月で約3,400円、1年で約4万1千円の差。ちょっといいホテルに1泊できる額が、給油だけで消えるわ。
アメリカの話なのに、急に自分の財布の話に聞こえてきました……。
米国株は−1.1%。どんな日だった?
発表当日の10月14日(水)、米国株は下げました。
10月14日(水)の終値
- S&P500:7,718.94(−86.51ポイント/−1.1%)
- ダウ工業株30種:51,621.48(−48.62ポイント/−0.1%)
- ナスダック総合:26,692.87(−511.51ポイント/−1.9%)
- ラッセル2000:2,729.53(−53.84ポイント/−1.9%)
AP通信は、インフレが加速したという発表で、FRB(米国の中央銀行)の利上げへの見方がウォール街で強まったと伝えています。S&P500は、史上最高値をつけてからの6日間で5回目の下げでした。
出典:AP通信「How major US stock indexes fared Wednesday 10/14/2026」(ABC News掲載)
それでも、年初からの窓で見ると景色は変わります。同じAP通信によれば、S&P500は年初から+12.8%です。
ちなみに米10年国債の利回りは、10月14日が5.19%で、前の日の5.21%から少し下がっていました(米財務省 Daily Treasury Par Yield Curve Rates・終値ベース)。株は下げても、金利は跳ねていない。1日の中でも、市場の受け止めは一色ではないんだよね。
先月「見るのはここだけ」と書いた数字の答え合わせ
先月の8月分の結果記事で、私は「見るのはコアの前年比が、前の月からどっちを向いたかだけ」と書きました。8月は2.5%→2.4%で下向きでした。
答え合わせです。9月は2.4%→2.6%で、上向きました。
| 7月分 | 8月分 | 9月分 |
|---|---|---|
| 2.5% | 2.4% | 2.6% |
3か月並べると、下がって、上がった。まだ「上がり続けている」とも「落ち着いた」とも言えない形です。コアの前月比も、市場予想の+0.2%を上回る+0.3%でした(CNBC)。発表の前、Xで「+0.2%に収まるかだけ見る」と書いていたので、正直、ここは少し驚きました。
ただ、向きが変わっても私のやることは変わりません。見る数字を決めておくのは、数字が上を向いた月に慌てないためなんです。
積立勢は何を確かめて、何をしなくていい?
迷ったらこれ:確かめるのは「家計」の1点だけ
ガソリンや光熱費が上がったぶん、積立のお金が生活防衛資金から出ていないかを1回だけ見てください。理由は3つです。
- 今月の数字は、相場より先に家計に来るから:ガソリンは前年比+34.2%。値上がりは給油や光熱費の形で、先に財布から出ていきます
- 1か月の数字では向きは決まらないから:今年の総合の前月比は、−0.4%の月も+0.9%の月もありました(BLS)。コアも3か月で下がって上がっています
- 積立の手順はCPIで変わらないから:毎月決まった日に決まった額を買うしくみは、CPIが3%台でも2%台でもそのまま動きます
もし生活費を削って積立しているなら、見直すのは相場ではなく積立額のほうです。考え方は生活防衛資金が貯まる前に積立していい?にまとめています。
私は今月も、積立の設定は開きません。こういう数字の月でも、淡々と同じ日に同じ額のままです。
今日、やらなくていいこと
- 「利上げはあるか」の解説を読み比べること(結果が出るのは10月29日のFOMC。どちらに転んでも積立の手順は変わりません)
- ガソリン+34.2%の見出しだけで、物価の全部が同じ速さで上がっていると考えること(食品は前月比0.0%でした)
- 1日の−1.1%を見て、積立日や金額を動かすこと
- エネルギーの値上がりを理由に、持っている投資信託を入れ替えること(インデックスの中身は自動で入れ替わります)
次の日程:月末にFOMCと日銀が並ぶ
これからの主な日程(定点ページで更新中)
- FOMC:10月27〜28日(結果は日本時間10月29日(木)午前3:00)→ FOMCの見方
- 日銀の金融政策決定会合:10月29日(木)・30日(金) → 日銀会合の前に積立はどうする?
- 次の米雇用統計(10月分):11月6日(金)22:30 → 雇用統計の見方
- 次の米CPI(10月分):11月10日(火)22:30(11月から日本時間が1時間うしろへ)→ CPIの見方
出典:BLS(次回CPIの予定)/BLS発表スケジュール(雇用統計)/FRB公式カレンダー/日本銀行 金融政策決定会合の日程
今回のCPIは、月末のFOMCの前に出る最後のCPIです。FOMCの結果は木曜の朝に1回見れば十分だと思います。
じゃあ今日は、給油と電気代の明細を1回見るだけでいいんですね。
今回のまとめ
- 9月分のCPIは総合が前年比3.7%(8月3.4%)、コアが2.6%(8月2.4%)。どちらも上向き
- 前月比+0.6%の半分超はガソリン。ただしコアの前月比も+0.3%で8月と同じペース
- 当日のS&P500は−1.1%。それでも年初からは+12.8%
- 先月「見る」と書いたコアの前年比は、下向き→上向きに変わった
- 積立の設定はそのまま。確かめるのは、積立が生活防衛資金から出ていないかの1点
- 次の山はFOMC(日本時間10月29日午前3:00)
数字が上を向いた月こそ、見る点を決めておいた意味が出ます。
今日はここまで。焦らずいきましょう。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
