こねこ
こねこ(投資1年目)

S&P500の積立、やっと続けられるようになったんです。…なのに、SNSで「同じ期間ならNASDAQ100のほうが伸びてる」って見ちゃって。私、遅れてるんでしょうか?

トリ
トリ(管理人)

積立が軌道に乗った人ほど必ず通る迷いだね。先に私の立場を言っておくと、「これからはNASDAQしかない」も「ハイテクはバブルで危ない」も、どちらも未来の断定。私はどちらにも乗らないで、主軸は変えないよ。ただ「なんとなく不安だから変えない」では次の波でまた揺れる。だから今日は3つの事実で、自分で決められるようにしよう。

この記事を読み終えると、次のことがわかるようになります。

この記事でわかること

  • そもそもNASDAQ100とは何か(S&P500と何が違うのか)
  • 両方積み立てると、中身はどれくらい重なるのか
  • コストの差は、実際いくらの話なのか(金額に翻訳します)
  • 足すべきか・やめるべきかの既定解と、その例外

その前に、そもそも「中身の重なり」という考え方に馴染みがない方は、オルカンとS&P500の両方積立は無駄?を先に読むと、この記事は一気に読みやすくなります。

そもそもNASDAQ100とは

3行で言うと、こうです。

  • ナスダック市場に上場している、金融を除いた大きな会社100社で作られた株価指数です(Nasdaq公式のNasdaq-100指数概要
  • 「金融を除く」がルールなので、銀行・保険はそもそも1社も入りません
  • 結果として、コンピューター関連・通信・小売・バイオなどの比重が高くなります(同上)

一方のS&P500は、アメリカを代表する主要企業500社の指数です。500社と100社。この差がそのまま、次の3つの事実につながります。

事実1:中身は大きく重なっている

NASDAQ100に入っている大型のIT企業は、そのほとんどがS&P500にも入っています。会社の規模が大きければ、どちらの指数にも顔を出すからです。

つまり、S&P500を積み立てている人がNASDAQ100を足しても、新しい会社が大量に増えるわけではありません。起きるのは、すでに持っている大型ハイテク企業の比重が、さらに上がることです。

▼ 「足す」と何が変わるのか(イメージ図)
思っていること 実際に起きること
分散が広がる 銘柄はほぼ重複。分散はほとんど広がらない
成長分野を追加できる すでに持っていたハイテクの比重が上がる
バランスが良くなる 金融・生活必需品などの比重は相対的に下がる

これは良い・悪いの話ではありません。ただ、**「分散を増やしたつもりが、実際は一点に寄せていた」**という取り違えだけは避けたい、という話です。

こねこ
こねこ

えっ、増やすんじゃなくて「濃くする」ってことなんですね…! 全然イメージが違いました。

事実2:コストは3倍以上ちがう

同じ運用会社どうしで並べると、差がはっきり見えます。ニッセイアセットマネジメントの2本を、公式のお申込メモから引きます(いずれも税込・年率)。

ファンド 運用管理費用(信託報酬)
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド 年0.2035%
ニッセイ・S米国株式500インデックスファンド 年0.05775%

※比較対象は同じ運用会社の「米国の大型株500社型」ファンドです(連動先はS&P500ではなく別の500社指数)。運用会社をそろえないと会社ごとの方針の違いが混ざるため、ここでは指数がニッチになるほどコストが上がるという構造を見るために並べています。

パーセントのままだと「どっちも安いのでは?」で終わってしまうので、金額に翻訳します。

▼ 100万円を1年持ったときの手数料(イメージ図)
ファンド 1年あたり
NASDAQ100型(年0.2035%) 約2,035円
米国株500社型(年0.05775%) 約578円
約1,460円

年1,460円と聞くと小さく感じます。ただ、これは残高が増えるほど比例して増える費用です。300万円なら年約4,400円、1,000万円なら年約1万4,600円。しかも成績が良い年も悪い年も、必ず払います。

コストは、唯一「確実に起きること」。

だから足すという判断は、「この上乗せ分は、毎年その差を超えて報われる」と自分が信じている、という意思表示になります。信じてはいけない、という話ではありません。ただ、それを自覚しているかどうかが分かれ目です。

トリ
トリ

ちなみに「過去◯年のリターンはこっちが上」という比較は、期間の取り方で結論がひっくり返るから、私は判断材料にしていないよ。ハイテクが強かった期間を切り取れば強く見えるし、その逆もある。未来は誰にも分からない以上、確実に分かっているコストと自分の性格のほうを見たほうが早いんだ。

事実3:使えるNISAの枠が違う

意外と見落とされがちな、実務上のいちばん大きな違いです。

  • ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは、NISAの**「成長投資枠」の対象**です(公式お申込メモ
  • 一方、S&P500の代表的なファンドであるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、つみたて投資枠・成長投資枠のどちらも対象です(公式ファンドページ

※どちらも取扱いは販売会社によって異なる場合がある、と公式に注記があります。実際に買う前に、お使いの証券会社の画面でご確認ください。

つまりNASDAQ100を足すというのは、多くの場合**「成長投資枠を使う」という決定とセット**になります。つみたて投資枠だけで完結していた人にとっては、管理する枠が1つ増えるということです。枠の使い分けそのものに迷いがある方は、この記事の最後にある次のステップへどうぞ。

迷いどころの既定解

既定解:特別な事情がなければ、主軸は今のまま。足すなら「上限を決めてから」

理由は3つです。

  • 分散は増えないから ── 中身の大部分が重なっており、起きるのは「ハイテク比重が上がる」ことだけ。分散を目的に足すなら、目的と手段が合っていません
  • コストが確実に増えるから ── 年0.2035%と年0.05775%の差は、100万円あたり年約1,460円。相場がどうなっても必ず発生します
  • 積立の設計が複雑になるから ── 成長投資枠を使うことになり、「毎月ほったらかし」の形が一段むずかしくなります

例外は、値動きがS&P500より大きく振れても、絶対に積立をやめない自信がある人。その場合でも「積立全体の何割まで」という上限を買う前に決めてください。上限を決めずに足すと、下がった局面で「どこまで我慢すればいいのか」の基準が自分の中にありません。

「乗り換え」には、見えないコストがあります

今持っているS&P500を売ってNASDAQ100に買い替える場合、利益に対する税金だけでなく、NISAの非課税枠も消費します。売って空いた枠が使えるようになるのは翌年です。詳しくはNISAの枠は売ったら復活する?で検証しています。
「足す」と「乗り換える」は、まったくコストの違う行動です。

こねこ
こねこ

売って買い替えるつもりでした…。あぶなかった。今の積立はそのままにして、足すかどうかはゆっくり考えます。

タイプ別:どう考えると決めやすいか

どちらが正解かではなく、自分がどちらの説明に納得できるかで選んで大丈夫です。

  • 「世界の成長の中心はアメリカの大企業全体」と考える人 → S&P500(またはオルカン)1本のまま。足す必要はありません
  • 「技術で世界を変える会社に、より濃く賭けたい」と考える人 → 上乗せは選択肢になります。ただし上限割合を先に決めてから
  • 「自分がどこまで下落に耐えられるか、まだ分からない」人 → いまは足さないでOK。下落を一度経験してからでも、判断は遅くありません

3つ目を選ぶのは負けではありません。自分の耐性が分かっていない状態で濃くするほうが、よほど危ういからです。

まとめ

S&P500にNASDAQ100を足すか:判断の3点

  • 中身:大部分が重複。分散は増えず、ハイテク比重が上がる
  • コスト:年0.2035%と年0.05775%。100万円あたり年約1,460円の差が確実に発生
  • :NASDAQ100型は成長投資枠。つみたて投資枠で完結しなくなる
  • 既定解:特別な事情がなければ主軸は変えない。足すなら上限を決めてから

「もっと伸びるほうがある」と知ったとき、心が揺れるのは自然なことです。むしろ、揺れない人のほうが少ない。ただ、揺れた日に決めるべきなのは商品を変えるかどうかではなく、自分がどこまでの振れ幅なら続けられるかのほうでした。それが決まっていれば、次に同じニュースを見たときには、もう迷わずに済みます。


※当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。