NISAの画面を見たら、今年の枠がほとんど残っていて…。これって12月までに入れないと、消えちゃうんでしょうか? もったいない気がして、ボーナスを全部入れようか迷っています。
その「もったいない」って、どういう感じ?
みんなが使っている得な枠を、自分だけ捨てているみたいで…。使わないと損をする気がするんです。
その気持ち、よく分かるよ。結論から言うと、使い切れなくても大丈夫。消えるのは「今年入れられる上限」だけで、一生で使える1,800万円の枠は1円も減らないんだ。だから、焦ってボーナスを全部入れなくていいよ。入れるかどうかは、枠じゃなくて「そのお金をいつ使うか」で決めよう。
消えるのは「今年の上限」だけ
まず、何が消えるのかをはっきりさせます。
新NISAの枠は2種類あります。1年に入れられる年間投資枠(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円)と、一生で持てる非課税保有限度額(1,800万円)です。
出典:金融庁「NISAを知る」(2026年10月6日確認)
このうち、年末に消えるのは年間投資枠の残りです。楽天証券のよくある質問には、こう書かれています。
「投資をおこなわなかった『年間投資枠』の未利用分は、翌年以降への持ち越しはできません」(楽天証券 よくあるご質問「今年のNISA枠を使い切るためにはどうすれば良いですか?」より)
なので「今年300万円余ったから、来年は660万円入れられる」とはなりません。来年もまた360万円までです。
でも、もう1つの枠のほうは違います。
同じ楽天証券の案内に、こう書かれています。当年の非課税枠を利用しきれなかった場合でも「残った非課税枠は生涯投資枠として最大1,800万円に達するまで利用することができます」(楽天証券「2026年のNISAお取引スケジュールのご案内」2026年10月1日より)。
金融庁のページでも、今のNISAは制度が恒久化され、非課税で持てる期間も無期限になったと説明されています。今年使わなかった分は、なくなるのではなく「あとで使う分」として残っているだけなんだよね。
ただし、その年に非課税で育てられたはずの時間は戻りません。だからこそ、枠を埋めることより、無理のない金額を長く続けることのほうが大事だと私は思っています。
| 年間投資枠(360万円) | 生涯の枠(1,800万円) | |
|---|---|---|
| 年末に残っていたら | 翌年に持ち越せない | そのまま残る |
| 来年使える額 | また360万円まで | 使っていない分はまるごと |
| 使う期限 | その年の年末まで | 期限の定めなし(今の制度・2026年10月時点) |
※成長投資枠だけで使えるのは、1,800万円のうち1,200万円までです(金融庁)。この記事の枠の金額は、18歳以上が使うNISAの話です(2027年に始まる「こどもNISA」は別の枠です)。
月3万円なら、1,800万円が埋まるまで50年
年間の上限が本当に効いてくるのは、月30万円近く積み立てられる人です。
数字に直してみます。
| 毎月の積立 | 1年で入れる額 | 年間投資枠(360万円)のうち | 1,800万円が埋まるまで |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 12万円 | 約3% | 150年 |
| 3万円 | 36万円 | 10% | 50年 |
| 5万円 | 60万円 | 約17% | 30年 |
| 10万円 | 120万円 | 約33% | 15年 |
| 30万円 | 360万円 | 100% | 5年 |
※1,800万円÷1年で入れる額で計算。売却や値動きは考えていません。
月3万円の積立なら、年間投資枠の10%しか使いません。残りの90%は毎年「余り」になります。でも、そのペースだと1,800万円が埋まるのは50年後です。
要するに、毎月の積立が30万円より少ないなら、年間の上限より先に自分のお財布の上限に当たるということです。年間の枠が余るのは、使い方が下手だからではありません。そういうしくみなんです。
正直、この表を見ると、ちょっと拍子抜けするわ。
年間の上限が本当に効いてくるのは、まとまったお金があって早く埋めたい人です。その人向けの話は新NISAの1,800万円は最短何年で埋まる?にまとめています。
年末に慌てて入れると、困るお金がある
年間の枠を「もったいない」と感じて、いちばん起きやすい失敗は、近いうちに使うお金を入れてしまうことです。
ここは私の話をさせてください。
積立を始めて1年ほどのころ、株が5%ほど下がったときに、ネットの「暴落だ」という言葉に怖くなって、全部売ってしまったことがあります。あとで振り返って思ったのは、「もし直近で必要なお金まで入れていたら、もっと大きな焦りと損失になっていた」ということでした。それ以来、投資に入れるのは余裕のあるお金だけと決めています。その話は積立を一度売ってしまった後悔が消えないときに書いています。
なので、ボーナスを入れるか迷ったら、枠の残りではなく、次の2つで決めてみてください。
年末に枠へ入れる前に見ること
- 数年以内に使う予定のお金ではないか(車・引っ越し・学費・家の修理など)。値下がりした年に使う日が来ると、売らざるをえなくなることがあります
- 生活費の数か月分は、別に残っているか。急な出費のたびに投資を取り崩すと、続けにくくなります
どちらかに引っかかるなら、今年の枠が余っていても入れなくていいんだよ。枠は来年もまた来ます。
それでも入れるなら、年内の期限を見ておく
余裕のあるお金で「今年の枠で入れたい」と決めた人は、期限だけ気をつけてください。
楽天証券の案内では、今年の枠で買えるのは、注文した日ではなく受渡日(お金と商品の受け渡しが終わる日)が年内に来る取引です。原文は「原則として年内に受渡日が到来する取引が対象」。ほかの証券会社を使っている人は、そちらの年末スケジュールで確かめてください。
12月は市場やファンドのお休みが多いので、ギリギリの注文は今年の枠に間に合わないことがあります。楽天証券が公表している2026年の期限のうち、積立をしている人に関係が深いものを並べます。
| 何をするか | 期限 |
|---|---|
| 楽天カード決済の投信積立(12月分)の設定 | 11月12日(木) |
| 投資信託のスポット買付(申込から4営業日目に受渡のファンド) | 12月25日(金)15:30 |
| 投資信託のスポット買付(申込から6営業日目に受渡のファンド) | 12月23日(水)15:30 |
| 米国株のスポット買付(成長投資枠) | 12月25日(金)午前7:00 |
出典:楽天証券「2026年のNISAお取引スケジュールのご案内」(2026年10月1日公表・10月6日確認)。受渡日はファンドによって違うので、買う商品の「詳細・目論見書」ページで日数を見てください。ほかの証券会社は、それぞれの年末スケジュールを見てください。
もう1つ。つみたて投資枠は積立でしか使えません。成長投資枠のように、一括でまとめて入れることはできないので気をつけてください。積立の金額を増やして年内に使う方法はあり、楽天証券には「NISAつみたて投資枠使い切り設定」という機能もあります(同じ案内ページより)。つみたて投資枠と成長投資枠の違いはNISAの年間枠を使い切ったら特定口座でOKでも表にしています。
迷ったらこれ
年間の枠は、使い切らなくていい。入れるかどうかは「そのお金をいつ使うか」で決める。理由は3つです。
- 消えるのは「今年の上限」だけで、生涯の1,800万円は減らない
- 月3万円なら、1,800万円が埋まるまで50年。年間の上限より先に、お財布の上限に当たる
- 近いうちに使うお金を入れると、下がった年に売らざるをえなくなることがある
まとめ
まとめ:NISAの枠を使い切れない、もったいない?
- 余った年間投資枠は翌年に持ち越せない。来年もまた360万円まで
- でも生涯の1,800万円は減らない。制度は恒久化、非課税で持てる期間も無期限
- 月3万円の積立だと、年間投資枠の10%。1,800万円が埋まるまで50年
- 年末に慌てて近いうちに使うお金を入れない
- 入れるなら受渡日が年内になるように。楽天証券の米国株は12月25日(金)午前7:00が期限
最初のこねこの「自分だけ捨てているみたい」に戻ります。
捨てているのは今年の上限だけで、一生の枠はちゃんと手元に残っています。
枠を埋めるより、続けられる金額で積み立てるほうが、ずっと大事だと私は思っています。今日はここまで。焦らずいきましょう。
※当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。制度や期限は2026年10月6日時点で公式サイトを確認したものです。今後の制度改正で変わることがあります。ご自身の状況での判断は、利用中の証券会社や専門家にご確認ください。