こねこ
こねこ(投資1年目)

はじめて米国株を買ってみようと思ったんですが、出せるのが1万円くらいで…。こんな少額だと手数料負けしませんか?

トリ
トリ(管理人)

結論から言うと、少額だからという理由で手数料負けすることは、今はありません。買って売るまでの往復コストは、1万円でも10万円でも約1.3%。ほとんど同じなんだ。むしろ意外なのは逆のほうでね。金額が大きい人のほうが、率は安くなるんだよ。

注文画面を開いて、金額の欄で手が止まる。この気持ち、よく分かります。「こんな端数みたいな金額で買ったら、手数料でぜんぶ持っていかれるんじゃないか」。

その心配、今日でいったん終わりにしましょう。楽天証券が公開している手数料の数字で、1万円から100万円まで実際に計算しました。

この記事でわかること

  • 1万円・10万円・100万円で、買って売るまでにいくらかかるか(公式の数字で計算)
  • 「最低手数料0円」が効くのは、実は約定代金2.22米ドル以下だけという事実
  • 手数料を本当に減らす3つの方法と、それでも少額をやめたほうがいい人

まだ買い方そのものから迷っている人は、先に楽天証券で米国株を買う方法を読んでから戻ってきてください。

そもそも「手数料負け」って何のこと?

言葉の意味を先にそろえておきます。手数料負けとは、株が値上がりして得た利益より、手数料のほうが大きくなってしまう状態のことです。

なぜ少額だと怖いのか。理由は昔の常識にあります。かつてのネット証券には「1回の取引につき最低5米ドル」といった最低手数料がありました。1万円ぶん買っても最低手数料は同じ額。だから小さく買う人ほど、率にすると不利だったわけです。

でも、その前提は今の楽天証券には当てはまりません。

楽天証券の米国株にかかるお金は4つ

まず全体を並べます。ここは公表されている数字なので、はっきり出せます。

▼ 米国株を買って売るときにかかるお金(楽天証券・2026年9月7日確認)
かかるもの いくら いつ
取引手数料 約定代金の0.495%(税込)。最低0米ドル・上限22米ドル 買うとき・売るとき
為替手数料(定時為替) 1米ドルあたり25銭 円で売買するとき
SEC Fee ドルベース約定代金 × 0.0000206米ドル 売るときだけ
米国での配当課税 配当の10% 配当を受け取るとき

出典は楽天証券の米国株式・現物取引の手数料ページ(2026年9月7日確認)です。SEC Fee は「2026年4月2日現在」の数字として同じページに載っています。

大事なのは1行目です。最低0米ドル、上限22米ドル。この2つが、少額の人と大口の人の運命を分けます。

「最低手数料0円」が効くのは2.22米ドル以下だけ

ここ、いちばん誤解されているところだと思います。

「最低手数料0米ドル」と大きく書いてあるので、少額に優しい仕組みだと読めますよね。私も最初はそう読みました。でも同じページには、こう書いてあります。

公式ページの注記

「最低手数料が無料になるお取引は、約定代金が2.22米ドル以下のお取引のみとなります」

2.22米ドルは、1ドル150円なら333円。それを超えたら、0.495%がふつうにかかります(出典:楽天証券・米国株式の手数料/2026年9月7日確認)。

つまり「最低手数料0円だから少額でも安心」ではありません。安心してよい理由は、そこではないんです。

安心してよい本当の理由は、0.495%が定率だから。1万円でも100万円でも、かかる割合は同じ。だから少額が不利になりません。ここが今日いちばん伝えたいところです。

こねこ
こねこ

じゃあ1万円だと、結局いくら取られるんですか…?

1万円から100万円まで、往復で計算した

こねこの質問に金額で答えます。特定口座で普通の米国株を買い、そのまま売ったと考えます。円で売買(円貨決済)、1ドル150円で計算しました。

▼ 買って売るまでの往復コスト(イメージ図・1ドル150円で計算)
買う金額 買いの手数料 売りの手数料 為替(往復) SEC Fee 合計 何%上がればトントン
1万円 約50円 約50円 約33円 約2円 約135円 1.35%
5万円 約248円 約248円 約167円 約2円 約665円 1.33%
10万円 約495円 約495円 約333円 約3円 約1,326円 1.33%
50万円 約2,475円 約2,475円 約1,667円 約11円 約6,628円 1.33%
100万円 約3,300円 約3,300円 約3,333円 約21円 約9,954円 1.00%

見てのとおりです。1万円が1.35%、10万円が1.33%。差は0.02ポイントしかありません。金額を10倍にしても、率はほとんど動かないんだよ。

1万円で往復135円。缶コーヒー1本ぶんです。この135円を惜しんで、はじめの1株を買わないまま1年が過ぎる。そのほうが、よっぽどもったいないと思いませんか。

意外なのは、大口のほうが安いこと

もうひとつ、表の最後の行を見てください。100万円だけ**1.00%**と、ひとつだけ安くなっています。

理由は上限22米ドルです。0.495%で計算した手数料が22米ドルに達すると、そこで頭打ちになります。22 ÷ 0.00495 を計算すると 4,444.45米ドル。1ドル150円なら約66.7万円です。

手数料の率が変わる分かれ目

  • 約定代金2.22米ドル以下(約333円) ── 取引手数料は0米ドル
  • 2.23米ドル〜4,444.44米ドル(約333円〜約66.7万円) ── 0.495%がそのままかかる
  • 4,444.45米ドル以上(約66.7万円〜) ── 22米ドルで頭打ち。買う額が増えるほど率は下がる

要するに、手数料の面で不利なのは少額の人ではありません。66.7万円に届かない全員が同じ条件で、それを超えた人だけが少しずつ得をしていく。そういうしくみです。

トリ
トリ

正直に言うと、この「最低手数料0米ドル」という見出しは今でも紛らわしいと思っています。読むと少額が優遇されているように見えるけど、実際に優遇されているのは反対側なんだよね。数字を自分で並べるまで、私もそこは意識していなかったよ。

手数料を本当に減らす3つの方法

金額をいじっても率は変わりません。だから減らしたいなら、別のところを変えます。3つあります。

① NISA成長投資枠で海外ETFを買う

楽天証券は「NISA成長投資枠での海外ETFの取引手数料は本プログラムに関わらず無料です」と明記しています(出典:楽天証券・買付手数料無料 海外ETF/2026年9月7日確認)。上の表の「買いの手数料」と「売りの手数料」が消えるので、いちばん効きます。

② 買付手数料が無料の15銘柄から選ぶ

楽天証券は米国上場ETF15銘柄の買付手数料を無料にしています。VOO・VTI・SPY・VT・SPYD などが対象です(出典は同ページ/2026年9月7日確認)。買付だけが無料で、売るときの手数料は通常どおりかかります。

どのETFを選ぶかで迷っている人は、S&P500のETFはVOO・IVV・SPYのどれ?もどうぞ。

③ リアルタイム為替でドルに替えてから買う

円で売買すると1米ドルあたり25銭。いっぽう楽天証券のリアルタイム為替取引の手数料は0銭と表示されています。ただし同じページに「提示する買レート・売レートには乖離があります」とも書かれているので、手数料の欄がゼロでも、レート差という形のコストは残ります。

円で買うかドルで買うかは、米国株の円貨決済と外貨決済はどちら?で整理しています。

迷ったらこれ

迷ったらこれ:金額で悩まず、まず1株買っていい

理由は3つです。

  • 率が金額でほとんど変わらないから ── 1万円で1.35%、10万円で1.33%。「もう少し貯めてから」と待っても、コストの条件は良くなりません
  • 待っている間の値動きのほうが大きいから ── 往復コストは約1.3%。米国株の1日の値動きは、それを超える日がふつうにあります。手数料を気にして半年待つ判断は、はるかに大きな変数を放置していることになります
  • 減らす方法は金額ではなく口座と銘柄だから ── NISA成長投資枠と無料対象の15銘柄。この2つを押さえれば、手数料の話はほぼ終わります

逆に、少額をやめたほうがいい人

作らせない選択肢も置いておきます。次に当てはまるなら、少額で米国株を買うより先にやることがあります。

  • 月に何度も売り買いするつもりの人。往復1.3%は1回ごとにかかります。年に10往復すれば13%。ここだけは回数がそのまま効きます
  • 投資信託の積立だけで十分な人。オルカンやS&P500の投資信託を積み立てているなら、そもそも為替手数料も取引手数料もかかりません。無理に米国株へ移る理由はありません(S&P500は投資信託とETFのどっち?
  • 1銘柄に集中するのが怖い人。手数料より先に、その不安のほうを片づけたほうがいいです(米国株の個別株が怖い人へ

数字は変わります

この記事の手数料は2026年9月7日に楽天証券の公式ページで確認したものです。SEC Fee は米国側の都合で年に何度か変わります(直近は2026年4月2日の現地約定分から)。実際に注文する前に、注文画面に表示される手数料を見てください。表示された金額が、いつでも正です。

まとめ

少額で米国株を買うとき・3点

  • コスト:買って売るまでの往復は約1.3%。1万円でも10万円でも変わりません
  • 意外な事実:不利なのは少額の人ではなく、約66.7万円を超えた人だけが上限22米ドルで得をします
  • 減らし方:金額ではなく、NISA成長投資枠と買付手数料無料の15銘柄で決まります

こねこが最初に心配していたのは「1万円だと手数料負けするのでは」でした。答えは、しません。1万円の往復コストは約135円、缶コーヒー1本ぶんです。

金額を大きくしても、この缶コーヒーは安くなりません。安くなるのは、口座と銘柄を変えたときだけ。

今日はここまで。焦らずいきましょう。


※当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。手数料・費用は変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。