こねこ
こねこ(投資1年目)

米国株を買ったら、配当金がドルで入ってました。えっ、私、そんな設定した覚えがないんですけど…!これ、円で受け取ることもできるんですか?

トリ
トリ(管理人)

できるよ。というより、そこが今日の一番の話。楽天証券は「変更がない場合は、米ドルで受取が設定されています」と公式に案内している(楽天証券のお知らせ)。触っていない人は全員ドル受取なんだ。先に結論を言うと、配当を使う予定がないなら「円貨で受取り」に変えておけばOK。理由は手数料じゃなくて、確定申告の手間のほうにあるよ。

米国株を買うときの「円貨決済/外貨決済」で迷った人は、先に米国株の円貨決済と外貨決済はどちら?を読むと、この記事の位置がわかりやすくなります。買うときの通貨の話と、受け取るときの通貨の話は別の設定です。

この記事でわかること

  • 何も設定していないと、配当はどちらの通貨で届くのか
  • 円で受け取ると、実際いくら引かれるのか(配当1万円あたりの金額)
  • ドルのまま貯めると、あとで何が起きるのか(為替差益と雑所得)
  • 自分はどちらを選べばいいか(既定解)と、変更が反映されるタイミング

結論:あなたの使い道で決まる(30秒の早見表)

この設定が決められないのは、「どちらが得か」を比べようとしているからです。手数料の差はごくわずかなので、受け取った配当を何に使うかで切ってしまいましょう。

▼ 使い道別・どちらを選ぶか(イメージ図)
あなたの状況 選ぶのは 理由
配当を使う予定はなく、置いておくだけ 円貨で受取り 受け取った時点で円が確定し、あとの手続きが増えない
受け取った配当で米国株・ETFを買い増したい 外貨で受取り 円に戻してまた買うと、両替のコストを二度払う
米国株は少額(年間の配当が数千円〜数万円) 円貨で受取り 手数料の差は年に数十円。手間ゼロの価値が上回る
ドルを使う予定があり、円に替えるつもりがない 外貨で受取り 円に戻さなければ、後述の為替差益の話は出てこない
よく分からない・いまは決めたくない 円貨で受取り 判断を先送りにしないで済むのはこちら

迷いどころの既定解(これでOK)

  • 特別な事情がなければ「円貨で受取り」でOK。理由は3つ——(1)コストは配当1万円あたり約16円で、迷い続けるほどの金額ではない (2)受け取った時点で円が確定するので、あとから為替差益や確定申告を気にしなくていい (3)円で入るので「いくら受け取ったか」が家計の感覚のまま分かる
  • ただし「受け取った配当でそのまま米国株を買い増す」人は「外貨で受取り」。そのために円へ戻すのは、両替を往復させるだけになります
  • 設定はいつでも変更できます。今日どちらかにしておいて、買い増しを始めたら切り替える——その順番で問題ありません

そもそも:配当金は「税金を引かれたあと」の姿で届く

こねこ
こねこ

そもそも配当金って、どういう形で口座に入ってくるんですか?

米国株の配当は、あなたの口座に届くまでに2回、税金を引かれます

  • アメリカで10%(日米租税条約で定められた米国源泉徴収税率)
  • 日本で20.315%(所得税15.315%+住民税5%)

この2回を引いたあとの金額が、証券口座に入金されます(楽天証券のお知らせ)。つまりあなたが選べるのは「その入金を何の通貨で受け取るか」だけで、税金が減ったり増えたりする話ではありません。ここを分けて考えると、判断がぐっと軽くなります。

配当にかかる税金そのもの(二重課税と、取り戻せる部分)は米国株の配当、手取りはいくら?にまとめています。

設定は「銘柄ごと」ではありません

受取通貨は「外国株式」全体の設定です(楽天証券の設定画面は マイメニュー → お客様情報の設定・変更 → 各商品に関する設定「外国株式」)。この銘柄はドル、あの銘柄は円、という分け方はできません。
※画面の名称は執筆時点(2026年8月)のものです。

円で受け取ると、いくら引かれるのか

円貨受取を選ぶと、証券会社がドルを円に両替して入金してくれます。このとき**1米ドルあたり25銭の為替手数料(スプレッド)**がかかります。手数料は配当金額の計算に使う為替レートに含まれる形です(楽天証券のお知らせ)。

「25銭」と言われても大きいのか小さいのか分からないので、受け取る金額に翻訳します。

▼ 円貨受取でかかる為替手数料(1ドル=158円で計算・イメージ図)
受け取る配当 かかる為替手数料
1万円ぶん(約63ドル) 約16円
5万円ぶん(約316ドル) 約79円
年間20万円ぶん(約1,266ドル) 約316円

率にすると、**25銭 ÷ 158円 = 約0.16%**です。年に20万円の配当を受け取る人でも、1年で300円ほど。ランチ1回にも届きません。

トリ
トリ

だから私は、この設定を「手数料をどちらが安くできるか」の問題として考えるのをやめた。年300円の差で30分悩むなら、その30分で別のことをしたほうがいい。本当の分かれ目は、次の話のほうだよ。

ドルのまま貯めると、あとで「宿題」が来ることがある

外貨受取を選ぶと、配当はドルのまま外貨預り金に入ります。手数料はかかりません。ここだけ見ると外貨受取のほうが得に見えます。

ただし、そのドルを自分で円に替えたときに、もう一つの論点が出てきます。

こねこ
こねこ

え、円に替えるだけですよね?ただの両替なのに、何が起きるんですか…?

国税庁は、為替差損益は「異なる通貨の交換(往復)」によって発生し、所得として認識する必要があるという考え方を示しています(国税庁・質疑応答事例/令和7年8月1日現在の法令等)。

楽天証券も同じことを、もっと直接的に案内しています。米ドルで受け取った配当金を自分で円に両替すると、為替レートの変動で生じた利益は雑所得の対象となり、確定申告が必要になる場合がある——だから雑所得を発生させずに円で受け取りたいなら「円貨で受取り」がおすすめです、と(楽天証券のお知らせ)。

つまり、こういう非対称があります。

▼ どちらを選ぶと、何が「あとに残る」か(イメージ図)
受け取るとき あとで円に替えるとき
円貨で受取り 1ドル25銭の為替手数料 何も残らない(すでに円)
外貨で受取り 手数料なし 為替差損益が発生し、雑所得になり得る

ただし、多くの積立勢はここで慌てなくて大丈夫

給与を1か所から受けている会社員の場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計が年20万円を超えるときに確定申告が必要になります(国税庁 No.1900/令和7年4月1日現在法令等)。配当を数万円ぶん受け取っている段階で、その為替差益だけで20万円を超えることはまずありません。
問題は金額よりも「自分が対象かどうかを毎年考えなければならない」ことのほうです。住民税の扱いなど個別の判断もあるため、金額が大きくなってきたら税務署か税理士に確認してください。

だから、分かれ目は「手数料」ではなく「宿題を残すか」

ここまでを一言でまとめると、この設定の本質はこうです。

選ぶのは、年300円ほどの手数料を先に払ってでも確定申告の心配をゼロにするか。手数料を払わない代わりに、将来の自分に判断を1つ残すか。

私は「使う予定のないお金ほど、放っておける形にしておく」ほうが長続きすると思っています。積立を10年続ける前提なら、毎年ちょっとずつ増える確認作業のほうが、年300円よりよほど重い。だから私なら円貨で受取りを選びます。

逆に、受け取った配当をそのままドルで再投資する人にとっては、円に替える場面がそもそも来ません。この人が円貨受取を選ぶと、円に替えて → また買うためにドルに替えるという往復が毎回発生します。こちらは迷わず外貨受取です。

トリ
トリ

「配当が出たら再投資したほうが有利」とよく言われるけど、それは実際に買い増す手を動かす人の話。ドルで貯まっていくのを眺めているだけなら、それは再投資ではなく、ただのドルの置きっぱなしだよ。自分がどちらなのかで決めるのがいちばん確実だと思う。

NISA口座で受け取る場合

NISA口座で受け取った配当そのものは非課税です。ただし、そのドルを自分で円に替えたときの為替差損益は「配当」ではありません。上で見たとおり雑所得として扱われるものなので、NISAの非課税とは別の話になり得ます。

「NISAなんだから全部非課税のはず」と思っていると、ここだけ想定外になります。**NISAでもドル受取のままにしているなら、円に替えるときは為替差益のことを思い出してください。**これも、円貨受取にしておけば考えなくて済む項目です。

なお、投資信託の分配金を再投資したときにNISA枠がどうなるかは、また別の論点です。そちらは投資信託の「再投資型」を選べばNISA枠は減らない?にまとめています。

変更の手順と、反映されるタイミング

STEP 1 パソコンのウェブサイトにログインし、右上の「マイメニュー」を開く
STEP 2 「お客様情報の設定・変更」→ 各商品に関する設定の「外国株式」へ進む
STEP 3 「外国株式配当金受取方法」の画面で「変更」を押し、希望の受取方法を選んで確認・変更

※ 画面の名称・並びは執筆時点(2026年8月)のものです。手順の出典は楽天証券のお知らせです。

そして、意外と見落とされるのが反映のタイミングです。

今日変えても、直前の配当には間に合わないことがあります

営業日15:30までの変更で、2営業日以降に受け取る配当金から新しい受取方法が適用されます(楽天証券のお知らせ)。
「明日入る配当を円で受け取りたい」と今日あわてて変更しても間に合いません。逆に言えば、配当の予定がない今のうちに設定しておくのがいちばん楽ということです。

まとめ

この記事のまとめ

  • 何も設定していなければ、米国株の配当は米ドルで受け取る設定になっている
  • 円貨受取の為替手数料は1ドルあたり25銭=配当1万円あたり約16円(1ドル158円のとき・約0.16%)
  • 外貨受取は手数料ゼロだが、あとで円に替えたときの為替差損益が雑所得になり得る
  • 既定解は「配当を使う予定がないなら円貨で受取り」「ドルのまま買い増すなら外貨で受取り」
  • 変更は営業日15:30までで2営業日以降の配当から適用。配当の予定がない今のうちに済ませておくのが楽

数字・制度は執筆時点(2026年8月)のものです。税務の個別判断は税務署または税理士にご確認ください。投資の判断はご自身の責任でお願いします。