こねこ
こねこ(投資1年目)

先月は「雇用が予想の3倍で株安」でしたよね。今度は「予想を大きく下回った」のに、株が上がってました。もう逆ばっかりで、何を信じたらいいんですか…!

トリ
トリ(管理人)

その「逆ばっかり」って、どんな感じ?

こねこ
こねこ

ニュースを見るたびに、自分だけ答えを知らないテストを受けてる感じです。何か動かなきゃいけない気がして、そわそわします。

トリ
トリ

分かります。発表の夜にそわそわするの、たぶんみんな一度は通る道だよね。でもね、そのテスト、答えのほうがあとから変わるんだよ。先月「減ったと思ったら増えてた」7月分が、今回また「減ってた」に戻ったんです。答えが動くテストに、今夜あわてて答えを書かなくていい。だから今日やることはありません。そのままでOKです。

そもそも雇用統計で何を見るのか、という方は先に米雇用統計の見方(積立勢向け・保存版)を開いてから戻ってくると、ここから先の数字が読みやすくなります。

今回読んだもの: 米労働統計局(BLS)「The Employment Situation — September 2026」(2026年10月2日発表の原文)

わかっていること:出た数字は3つ

BLSが2026年10月2日(金)の日本時間21:30に出した、9月分の数字です。

見る数字 9月の結果 市場の事前予想
非農業部門雇用者数(NFP) +2万9000人 +8万8000人
失業率 4.2%(8月は4.1%) 4.1%
平均時給(前年比) +3.0%(37.81ドル・前月比+0.1%) +3.1%(+0.3%)

出典

結果の数字:米労働統計局(BLS)「The Employment Situation — September 2026」(2026年10月2日発表)
市場の事前予想:ザイFX!「ニューヨーク外国為替市場概況・2日」(DZHフィナンシャルリサーチ)

3つとも、予想より弱い側に出ました。

BLS自身の言葉は、ずいぶん落ち着いています。見出しの1文は「changed little」(ほとんど変わらず)。雇用者数も失業率も、どちらも「ほぼ横ばい」という書き方です(BLS・同上)。

ちなみに直近12か月の月平均は4万5000人増、とBLSは書いています。2.9万人は、その平均より少し下という位置です。

答え合わせ:7月分が、またひっくり返った

ここが今回いちばん大事なところです。

先月の記事で、私はこう書きました。「今回の数字は、来月また書き換わる」。

書き換わりました。しかも、また向きごとです。

7月分の雇用者数は、3回とも違う数字

  • 8月7日の速報:-2万3000人
  • 9月4日の1回目の改定:+2万1000人
  • 10月2日の2回目の改定:-1万人

8月分も、+16万2000人 → +13万3000人に下方修正。7月と8月をあわせて6万人の下方修正です。
出典:BLS(同上)

こねこ
こねこ

マイナス、プラス、またマイナス…!? 同じ7月の話ですよね?

トリ
トリ

そう、同じ7月なんだよね。正直、ここまで行ったり来たりするとは思っていなかったわ。先月は「減ったが1か月で消えた」と書いたけど、今回で減った側に戻りました。答え合わせは、外れたら外れたと書いておきます。

そもそも:速報値は「鉛筆書き」

雇用統計の見出しの数字は、その日で確定ではありません。

BLSは毎月、過去2か月ぶんを計算し直して出し直します。企業や役所からの報告が後から届くのと、季節の調整をやり直すためです(BLS・同上)。

今回で、7月分は毎月の見直しが2回とも終わりました(年に1度の大きな見直しは、これとは別にあります)。その2回のあいだに、「増えた・減った」の向きが1か月ごとに変わったわけです。

当日の数字で積立の設定を動かすと、この鉛筆書きに合わせて動くことになります。消しゴムで消される前提の数字に、自分のお金の設定を合わせる意味は薄いですよね。

株と為替はどう動いたか

弱い雇用は、今回は素直に喜ばれました。先月と、ちょうど逆の反応です。

指数 10月2日終値 前日比 今週
S&P500 7,722.72 +56.27pt(+0.7%) -0.3%
NYダウ 51,176.96 +250.40pt(+0.5%) -1.3%
ナスダック総合 27,190.86 +319.27pt(+1.2%) +0.5%
ラッセル2000(小型株) 2,832.90 +26.27pt(+0.9%) -0.2%

出典

AP通信「How major US stock indexes fared Friday 10/2/2026」(2026年10月2日・すべて終値ベース)。AP通信は、雇用の伸びが鈍ったことで「今月中にFRBが利上げする」という見方が後退した、と伝えています。S&P500は最高値まで1%以内に戻りました。

金曜は上がったものの、週で見るとS&P500はマイナス0.3%。金曜の上げを入れても、1週間ではまだ少しマイナスです。

為替はドル円が157.85円で引けて、前の日の158.09円から24銭のドル安です。発表直後の21時30分すぎには156.95円まで下げて、そこから戻しました。米10年債の利回りも、いったん5.15%台まで下げてから5.29%台まで上がっています。出典はザイFX!(DZHフィナンシャルリサーチ・同上)で、いずれもNY市場の終値と日中の値です。

自分のお金にすると、いくら?

S&P500の+0.7%が、自分にいくらなのか。ここを毎回やっておくと、見出しに振り回されにくくなります。

▼ 10月2日の上昇を金額に直すと(イメージ図)
積み立てている額 0.7%上昇の金額 今週(-0.3%)の金額
50万円 約+3,500円 約-1,500円
100万円 約+7,000円 約-3,000円
300万円 約+2万1,000円 約-9,000円

100万円で、金曜の1日が約7,000円のプラス。週では約3,000円のマイナス。ちょっといい外食1回分が行ったり来たりしているだけ、という大きさだよね。

ついでにもう1つ。先月の雇用統計の日(9月4日)のS&P500の終値は7,718.60でした(AP通信)。今回は7,722.72。「予想の3倍」でも「予想の3分の1」でも、1か月たったらほぼ同じ場所にいます。

積立勢が確認すること・しなくていいこと

迷ったらこれ:今日やることはありません。積立の設定はそのままでOK

理由は3つです。

  • 今回の数字も、来月また書き換わるかもしれない。7月分は1か月ごとに向きが変わりました。9月分の2.9万人も、まだ鉛筆書きです
  • 動いた金額が小さい。100万円で1日約7,000円、週では約3,000円のマイナス。1か月前とほぼ同じ水準です
  • 金利の見立ては、先月と今月で入れ替わった。先月は「利上げが近い」、今月は「利上げが遠のいた」。この見方に合わせて動いていたら、2か月続けて逆向きに動くことになっていました

確認していいのは、次の1つだけです。

  • 今月の積立が、いつもどおり設定どおりに実行される状態になっているか(金額・日付・引き落とし口座)

逆に、しなくていいことも並べておきます。

  • 「雇用が弱い=景気が悪くなる」と考えて、積立を止める
  • 「利上げが遠のいた=買い時」と考えて、今月だけ積立額を増やす
  • 失業率の0.1%の上げ下げを、毎月の売り買いの合図にする

どれもやらなくて大丈夫です。焦らなくていいんだよ。

私の見方

トリ
トリ

あくまで私の考えです。私は今月も手を変えません。「雇用が崩れ始めた」という心配も、「利上げが消えて株はまだ上がる」という期待も、どちらも1か月後に書き換わっている気がするので。実際、7月分は1か月ごとに逆を向きました。積立は、そういう数字に合わせなくていいしくみなんだよね。

来週からのカレンダー

今週の数字はここまで。来週以降の大きな発表は、次のとおりです(日本時間)。

これからの日程

9月のFOMCで0.25%の利上げがあった話(出典:FRB声明)は、FOMC 9月会合の結果にまとめています。10月の会合の前に、一度読み返しておくと流れがつかみやすいです。

まとめ

2026年9月の米雇用統計・まとめ

  • 雇用者数は2.9万人増で、予想(8.8万人)の3分の1。失業率は4.2%、平均時給は前年比3.0%
  • 弱い雇用で利上げの見方が後退し、S&P500は+0.7%。ただし週ではマイナス0.3%
  • 7月分は-2.3万人 → +2.1万人 → -1万人。1か月ごとに向きが変わった
  • S&P500は、先月の雇用統計の日とほぼ同じ水準
  • 積立勢がやることは、今月の積立が設定どおり実行されるかの確認1つだけ

先月「強い」で下がり、今月「弱い」で上がって、1か月後にはほぼ同じ場所。

7月の数字に3回振り回されなかった人が、今回もいちばん楽でした。

今日はここまで。焦らずいきましょう。


※当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。