はじめての配当が口座に入ったとき、うれしかったですよね。次に思うのは「これ、もっと増やしたいな」じゃないかな。複利、増配、高配当。言葉はたくさん出てくるのに、何から手をつければいいのかは、はっきりしない。
配当金をもっと増やしたいんです。再投資をがんばるのと、増配する会社を探すのと、どっちが先ですか?
その「もっと増やしたい」って、どういう感じ?
数百円でも、自分が何もしないでお金が入ったのがうれしくて。これが大きくなったらいいなって。でも、何をすれば大きくなるのか分からないんです。
その感覚、私も最初にあったよ。結論から言うと、元本がまだ小さい1年目は、再投資でも増配でもなくて、毎月入れるお金がいちばん効きやすいんだ。100万円・利回り3%の例だと、配当を再投資して翌年増えるのは、たったの年900円。入金を月1万円増やすと、年3,600円も増える計算だよ。今日はそれをいっしょに見よう。
配当が入ったあとの使い道は配当金を受け取ったら、どうする?で話しています。この記事はその一歩先、「どうすれば増えるのか」の話です。
自分で動かせる道は、大きく2つ
配当の金額は、かけ算で決まります。
持っている数 × 1株(1口)あたりの配当 = 受け取る配当
だから、自分で考えられる道は大きく2つです(米国株なら為替や税金でも手取りは変わります)。
- 持つ数を増やす:毎月の入金で買い足す、受け取った配当を再投資する
- 1株あたりの配当が増える:これが「増配」
| 道 | 中身 | 決めるのは |
|---|---|---|
| 数を増やす | 入金して買い足す/配当を再投資する | 自分 |
| 増配 | 1株あたりの配当が増える | 会社 |
そもそも、増配って何?
増配は、前の期よりも配当の額が増えることです。反対に、減ることは「減配」といいます(野村證券 証券用語解説集「増配」・「減配」・2026年9月28日確認)。
ここで大事なのは、増配も減配も会社が決めるということ(投資信託やETFの分配金なら運用会社)。私たちがボタンを押して増やせるものではありません。
だから、自分でできることは「数を増やす」ほうに集まります。
再投資と入金、どっちが効く?
ここが今日いちばん見てほしいところです。計算上の例で比べます。
| やること | 1年で増える投資額 | 翌年の配当が増える額 |
|---|---|---|
| 配当3万円を再投資する | 3万円 | 年900円 |
| 毎月の入金を1万円増やす | 12万円 | 年3,600円 |
100万円に3%なら、配当は年3万円。これを全部再投資しても、翌年の配当は900円増えるだけです。月にすると75円。缶コーヒー1本も買えないよね。
毎月の入金を1万円増やすと、1年で12万円。こちらは翌年の配当が3,600円増えます。この例では、再投資の4倍です。
実際に受け取るのは税引後の金額です。課税口座なら約20%、米国株なら米国でも先に10%が引かれるので、再投資できる額はこれより少なくなります。そうすると、再投資の差はもっと小さくなるんだよね。
再投資が無意味、という話ではありません。再投資は年数がたつほど効いてくる道です。ただ、1年目の元本はまだ小さい。小さいうちは、外から入れる金額のほうが、ずっと大きく動くんです。
えっ、再投資って900円だけなんですか。複利ってもっとすごいのかと思ってました。
正直、この計算は毎回拍子抜けするわ。複利は「時間」をかけて効くしくみなので、1年目に派手な差は出ません。焦らなくて大丈夫。1年目は入金、年数がたったら再投資もじわじわ効いてくる、という順番です。
再投資するときに知っておく2つ
NISAでは、再投資の分も枠を使う
NISA口座で持っている投資信託の分配金を再投資すると、その分もその年のNISA投資枠を使います(日本証券業協会「NISAに関するQ&A」)。楽天証券のQ&Aでは、持っている投資信託と同じ枠(つみたて投資枠か成長投資枠)で再投資され、枠が残っていない分は課税口座(特定・一般口座)で再投資される、と案内しています(楽天証券「NISA/新NISA」・2026年9月28日確認)。枠が足りない分の扱いは証券会社によって違うことがあるので、自分の証券会社の案内も見てみてください。枠の話は「再投資型」を選べばNISA枠は減らない?で話しています。
楽天証券では、海外ETFの分配金は自分で買い直す
楽天証券の配当金の案内は「口座に入金」とだけ書いていて、海外ETFの分配金を自動で再投資するサービスの案内はありません(2026年9月確認)。再投資するなら、自分で買い直すことになります。証券会社によっては自動のサービスがあるので、くわしくは海外ETFの分配金は自動で再投資される?へ。
たとえばeMAXIS Slimの全世界株式(オール・カントリー)と米国株式(S&P500)は、分配金が設定来0円です(分配金を受取型に切り替えるのはいつ?で公式の数字を引いています)。こうしたファンドなら再投資する場面はそもそもなく、動かせるのは入金額です。自分のファンドは、運用会社のページの「分配金実績」で見られます。
増配や高配当に寄せすぎない理由
「じゃあ、増配しそうな会社や高配当の株を探せば早いのでは」と思いますよね。
でもね、増配は会社が決めることで、減配もあります。未来の配当は、誰にも約束できません。
それに、配当の高さだけで選ぶと、似た業種に集まりやすくなります。高配当ETFの中身の違いは高配当ETFはVYM・HDV・SPYDどれ?で公式データをもとに並べています。
私の場合
私も高配当株を持っています。はじめて配当が入ったとき、感じたのは金額より「本当に不労収入ってあるんだ」という感動でした。そのあとすぐ、もっと増やしたい、守りたい、入金力を高めたい、と思うようになりました。
ただ、高配当だけを狙うことはしていません。暴落もあるので、「卵を入れるかごは分散する」が私の鉄則です。いろいろな領域や会社に分けています。高配当だけに寄せるのは、本当の分散ではないと考えています。
だから今の私の順番は、銘柄探しより入金力が先です。家計簿も付けているよ。
迷ったらこれ
生活費と生活防衛のお金を確保したうえで、無理のない範囲で入金額を見直す。再投資は続ける。増配は会社に任せる。理由は3つです。
- 100万円・3%の例では、再投資で増える配当は年900円。入金を月1万円増やすと年3,600円
- 増配も減配も会社(投資信託なら運用会社)が決める。自分で動かせるのは持つ数だけ
- 高配当だけに寄せると、分散がくずれやすい
まとめ
まとめ:配当金を増やすには?
- 配当は持つ数 × 1株の配当。増やす道は「数」と「増配」の2つ
- 自分で動かせるのは数。増配・減配は会社側が決める
- 元本が小さいうちは入金額が効きやすい。再投資は年数がたつほど効いてくる
- NISA口座で分配金を再投資すると、その分も枠を使う
- 今日やることは1つ。直近1年の配当の合計を、証券会社の履歴で1回見てみる
複利の前に、入金。配当を増やす近道は、案外地味なところにありました。今日はここまで。焦らずいきましょう。
※当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。表の数字は税引前・株価と利回りが変わらない前提の計算上の例で、将来の配当を約束するものではありません。NISA枠の残りや枠を超えた分の扱いはご利用の証券会社で、税金の扱いは税務署などで確認してください。