※制度の詳細は必ず金融庁 NISA特設ウェブサイトでご確認ください。
米国株の注文画面まで来たのに、「口座区分」のところで手が止まりました…。NISAと特定、どっちを選べばいいんですか?
結論:迷ったらこれでOK
- 長く持つつもりの米国株・ETFなら「NISA(成長投資枠)」。これが既定解です
- NISAの年間枠(240万円)を使い切ったら、そこから先は特定口座
- 順番は「NISAから先に埋める」。特定口座を先に使う理由があるのは、下の3つの場面に当てはまる人だけ
注文中の人はここまで読めば選べる。あとは「自分は例外の3つに当たるか」を30秒で確かめて、そのまま注文に戻ってOK。理由が気になったら、そのあとゆっくり読んでね。
この記事でわかること
- NISA成長投資枠と特定口座の違い(何が非課税で、何ができないか)
- 特定口座をあえて選ぶ3つの場面(=例外の判定)
- 米国株ならではの落とし穴:NISAでも米国の10%は引かれる
30秒でできる例外チェック
次の3つのどれにも当てはまらなければ、**NISA(成長投資枠)**を選んで問題ありません。
- 数週間〜数ヶ月で売るかもしれない買いだ
- 他の銘柄の損失と相殺(損益通算)したい
- 生涯枠1,800万円の使い道を、別の商品のために温存したい
ひとつでも当てはまる人は、あえて特定口座を選ぶ3つの場面を先に読んでください。
まず前提:2つの口座は「税金の扱い」が違うだけ
買える米国株や手数料は、どちらの口座区分でも同じです。違うのは利益にかかる税金の扱いだけ。
| NISA(成長投資枠) | 特定口座(源泉徴収あり) | |
|---|---|---|
| 売却益・配当への国内課税 | 非課税 | 20.315%(所得税等15.315%+住民税5%) |
| 年間の投資枠 | 240万円まで | 上限なし |
| 生涯の非課税枠 | 1,800万円(成長投資枠はうち1,200万円まで) | — |
| 損益通算・損失の繰越 | できない | できる |
| 確定申告 | 不要 | 原則不要(源泉徴収ありの場合) |
※税率・制度は金融庁 NISA特設ウェブサイトおよび国税庁タックスアンサー No.1463より(2026年8月時点)。
非課税って、具体的にどれくらい違うんですか?
ざっくり言うと、利益の約2割が手元に残るかどうかの差。10万円の売却益なら、特定口座では約2万円が税金になるけど、NISAならまるごと10万円。長期で増えるほど、この差は大きく効いてくるよ。
あえて特定口座を選ぶ3つの場面
場面1:短期で売るかもしれない買い
NISAの非課税枠は、売却してもその年のうちには戻りません(復活するのは翌年・買ったときの値段=簿価ベース)。
たとえば8月に100万円ぶんの成長投資枠を使って買い、9月に売ったとします。この100万円ぶんの枠が再び使えるようになるのは翌年です。数週間〜数ヶ月で手放す可能性がある買いに、年240万円しかない枠を使うのはもったいない——という考え方ができます。
場面2:損益通算を使いたい
特定口座なら、A株の利益とB株の損失を相殺(損益通算)でき、引き切れない損失は翌年以降3年間繰り越せます。NISAの損失は税務上「なかったこと」になるため、この仕組みが使えません。個別株を何銘柄も売買する人ほど、この差が効きます。
場面3:生涯枠1,800万円の使い道を計画している
生涯の非課税枠には上限があります。「枠は将来のインデックス積立に温存して、試し買いの個別株は特定で」という配分も、ひとつの合理的な判断です。
米国株ならではの注意:NISAでも米国の10%は引かれる
ここは日本株にはない論点です。米国株・米国ETFの配当は、まず米国で10%が源泉徴収され、そのあと日本で課税されます(日米租税条約にもとづく税率)。
NISAで非課税になるのは、このうち日本側の20.315%だけ。米国の10%はNISA口座でも引かれます。しかも、日本で課税されていないぶん、NISA口座の配当は外国税額控除の対象外です。
| 配当10万円のとき | 手取り |
|---|---|
| 特定口座(申告なし) | 約71.7%(米国10%→日本20.315%の二重課税) |
| NISA(成長投資枠) | 90%(米国10%のみ) |
※税率の出典:国税庁タックスアンサー No.1240(外国税額控除)、No.1331(上場株式等の配当)(2026年8月時点)。
「NISAなら配当が丸ごともらえる」わけではない、という一点だけ覚えておけば十分です。それでも手取り90%対約71.7%で、配当目当ての米国株・ETFもNISAが有利という結論は変わりません。計算の詳細は米国株の配当、手取りはいくら?で確認できます。
なお、すでに特定口座で持っている米国株や投信を、あとからNISAへ移すことはできません。この点は特定口座の投信や米国株は、NISAに移せる?で整理しています。
まとめ
まとめ:口座区分の使い分け
- 長期保有の買いはNISA成長投資枠が基本(利益の約2割の差)
- 短期売買・損益通算を使いたい・枠を温存したい——この3つの場面だけ特定口座
- 順番は「NISAから先に埋める」でOK
- 米国株の配当は、NISAでも米国の10%は引かれる(それでも手取り90%で有利)
口座区分が決められたら、あとは注文するだけです。実際の注文画面の操作は楽天証券で米国株を買う手順でどうぞ。
※当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。税制は変更されることがあります。個別の税務は税務署または税理士にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。