こねこ
こねこ(投資1年目)

まだ先の話ですけど……。貯金がいくらあったら、仕事を辞めても大丈夫なんですか?

トリ
トリ(管理人)

いい質問だね。その「辞めても大丈夫」って、どういう感じ?

こねこ
こねこ

今すぐ辞めたいわけじゃないんです。でも、しんどい日に「いつでも辞められる」と思えたら、少し楽になる気がして。

トリ
トリ

その感覚、私もずっとありました。先に答えを言うと、金額は人によって違うんだ。決め手は「毎月いくら使っているか」。そこさえ分かれば、電卓1つで出せるよ。

「あといくら貯めればいいんだろう」。 ネットで調べると、答えがばらばらで余計に不安になりますよね。

でも、慌てなくて大丈夫です。 人によって毎月使うお金が違うから、答えが違って当たり前なんです。

今日は、自分に本当に必要な額を出してみましょう。 「いつでも辞められる」に一歩近づくための、電卓1つでできる出し方です。

貯金そのものの置き場所や、積立との順番は生活防衛資金が貯まる前に積立していい?にまとめています。

辞められる額は「毎月いくら使っているか」で決まる

結論から言うと、必要な額は「毎月の支出」から逆算します。

同じ500万円でも、毎月15万円で暮らす人と、30万円で暮らす人では、もつ期間が倍違います。 だから、平均や他人の金額は決め手になりません。

目的によって、式は2つに分かれます。

次の仕事を探す間のお金=毎月の支出×月数

「辞めて、次を探す」なら、こちらです。

毎月15万円で暮らしているなら、6か月で90万円。 12か月なら180万円。

かけ算はこれだけです。 月数は、自分が「これだけあれば焦らず探せる」と思える長さで決めてください。

働かずに暮らすお金=1年の支出×25

「働かなくても暮らせる」を目指すなら、よく使われる目安が「4%ルール」です。

大和証券のコラムでは、4%ルールを「生活費を投資元本の4%以内に抑えることができれば、資産が目減りすることなく暮らしていくことが可能だという仮定」と説明し、必要な資産は1年の支出の25倍としています(大和証券「今話題のFIREを解説!資産運用で早期リタイアを実現する方法とは?」より・2026年10月21日確認)。

同じコラムの例では、1年の支出が180万円なら4,500万円です。 180万円は、月にすると15万円。

▼ 毎月15万円で暮らす人の場合(イメージ図)
目的 式 目安
6か月かけて次を探す 15万円×6か月 90万円
12か月かけて次を探す 15万円×12か月 180万円
働かずに暮らす(4%ルール) 180万円(1年)×25 4,500万円

4%ルールは「目安」です

大和証券のコラムでも、4%ルールは米国の経験則から生まれた考え方で、4%という数字が本当に適切かは「議論の余地があります」と書かれています。病気や介護などの想定外の出費で、運用益の範囲に収まらなくなることもあります。「25倍あれば絶対に大丈夫」という数字ではありません。

こねこ
こねこ

よ、4,500万円……。ちょっと遠すぎます。

トリ
トリ

そう思うよね。でも、それは「1円も稼がない」場合の数字なんだ。あとで、ぐっと減らす話もするね。

自分から辞めると、失業手当はすぐには出ない

「次を探す間のお金」を考えるとき、ここは知っておいてほしいところです。

正当な理由のない自己都合で会社を辞めた場合、失業手当(雇用保険の基本手当)には「給付制限」という、受け取れない期間があります。 病気やけがで続けられなくなったなど「正当な理由のある自己都合」と認められた場合は、この給付制限はかかりません(ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」より・2026年10月21日確認)。

厚生労働省のQ&Aでは、こう説明されています。 受給手続日から原則として7日たった日の翌日から、1か月間は受け取れない(厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」Q20より・2026年10月21日確認)。

この「原則1か月」は、2025年4月1日以降に辞めた人の場合です。 同じQ&Aによると、退職日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けていると、3か月になります。 逆に、2025年4月以降に学び直しのための教育訓練を受けた(受けている)場合は、給付制限が解除されるしくみもあります(厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」より・2026年10月21日確認)。

しかも、支給はその期間が終わったあとの認定日からで、口座への振り込みは認定日の約7日後です(同じQ&AのQ8・Q29より)。 その間の家賃や支払いは、自分の貯金から出すことになりやすいんだよね。

受け取れるかどうか、いつから・いくら受け取れるかは、辞めた理由や働いていた期間などで変わります。 辞めることを考え始めたら、住んでいる地域のハローワークで確かめてください。

少しでも稼ぎがあれば、必要な額はぐっと減る

さっきの4,500万円、ここで小さくなります。

大和証券の同じコラムには、こんな例があります。 月5万円(年60万円)を副業で稼げば、運用でまかなう分は120万円。必要な資産は、120万円×25の3,000万円。

月5万円の稼ぎで、必要な額が1,500万円も減る。 ここ、私は毎回ちょっと驚くわ。

▼ 1年の支出180万円の人が、少し稼ぐ場合(イメージ図・4%ルールの目安)
毎月の稼ぎ 運用でまかなう分(1年) 必要な資産の目安
0円 180万円 4,500万円
5万円 120万円 3,000万円

完全に仕事をやめなくてもいい。 嫌な仕事を減らして、好きな仕事を少し続ける。 そういう形なら、ゴールはだいぶ近くなります。

ちなみに私は2026年に、この「少し稼ぎながら」の形(サイドFIRE)にしました。 完全に引退はせず、小さな会社を立ち上げて仕事を続けています。

こねこ
こねこ

月5万円で1,500万円も違うんですか。それなら、少し現実味がありますね。

トリ
トリ

でしょ。だから最初に知りたいのは、毎月の支出なんだ。ここが分からないと、どの式も使えないからね。

私が「嫌と言えるお金」のために、最初にやったこと

ここは私の話です。

私が目指していたのは、「嫌なことに、嫌と言えるお金」でした。 今すぐ辞めたいわけじゃない。 でも、どうしても嫌なことには「嫌です」と言える。 そのくらいの余裕がほしかったんです。

最初にやったのは、貯金を増やすことではありませんでした。 毎月いくら出ていっているかを、見えるようにすることです。

支払いをなるべく電子マネーに寄せて、家計簿アプリにつなぎました。 記録をがんばらなくても、自動でたまっていく形です。

正直、見えるようになるまでは「穴の空いたバケツ」でした。 いくら水を入れても、どこから漏れているか分からない。 これでは、いつまでたっても「嫌と言えるお金」はたまらないんですよね。

記録が続かない人向けのやり方は家計簿が続かない人へにまとめています。

今日のまとめ

  • 辞められる額は、毎月の支出で決まる
  • 次を探す間のお金は「毎月の支出×月数」
  • 働かずに暮らすお金の目安は「1年の支出×25」。ただし保証ではない
  • 正当な理由なく自分から辞めると、失業手当は受給手続から原則7日+1か月は受け取れない
  • 月5万円でも稼ぎがあれば、必要な額はぐっと減る

まずは先月の支出の合計を、1回だけ出してみてください。 それを6倍と12倍にするだけで、「自分の場合はいくらか」が見えてきます。

今日やるのは、その1回だけで大丈夫です。

「いくらあれば辞められるか」は、貯金の額より先に、毎月の支出で決まる話でした。 今日はここまで。焦らずいきましょう。